LESSON13:でこぼこ道も怖くない!ガレ場でのテクニック

震災時に大活躍をしたガレ場でのバイク走行

あまり知られていませんが、東日本大震災のときにはバイクを使った支援活動が広く行われてきました。
被災地に必要な物資を届けるにはトラックなどの大型車両が便利ですが、被災直後には瓦礫の山によって幹線道路が埋め尽くされており、大型車両がそのまま走行することができないという状況が生じたのです。

そこで活躍をしたのが主にオフロードバイクを走行させるライダーたちで、人の足や自動車では到底通行することができないような悪路をバイクを使用して次々に乗り越え、必要な物資を調達していきました。

戦後の復興期にもバイクは物資の調達に非常に深いかかわりをしたということが知られており、十分に整備されていない道路状況においてはバイクはかなりの強みを発揮します。

しかしそんな便利なバイクですが、瓦礫に埋もれた足場のようないわゆる「ガレ場」を走行するのは誰でも簡単にできるというわけではありません。

「ガレ場」はオフロードバイクの大会項目や、公式のサーキット場にも用意されている場所となっており、コンクリートや木材などの障害物があちこちに埋め込まれたようになっています。

「ガレ場」では当然真っ直ぐ走行することができませんので、足場を確認しながらバランスを取った走行をしていくことになるのです。

白バイ隊員や救急隊、レスキューチームでもバイクによるガレ場走行は重要な訓練項目となっており、いざという時に役立つ重要なスキルとして指定されています。

不安定なガレ場では微妙なスロットルワークが必要

スピードの出せないガレ場においては、まず低速走行によるバランス取りと、同時に斜面や段差を乗り越えるための段差越えテクニックが必要です。

このときに最も重要となるのが右手のスロットルワークで、走行や乗り越えといった状況に応じて少しずつ回転を制御して走行していくことになります。

ガレ場ではシートにかかる衝撃もかなり大きくなりますので、基本姿勢としてシートから腰を上げ、足元を注視しながら進んでいきます。

ただしこのときに肩に余計な力が入ってしまうと、どうしてもステアリングでバイクのバランスを取ろうとしてしまいますので、あまりハンドリングには頼らず、できるだけ全身の重心を移動させるようにして制御をしていきましょう。

ガレ場で難しいのがスロットルを開きすぎることによる「空回し」です。
泥や砂利道においては、タイヤがぬかるみに引っかかってしまうとスロットルを回しても上手く移動ができず、周辺に土を撒き散らすだけで前方に進むことができません。

むしろ空回しによってバランスが崩れやすくなってしまいますので、走行をするときにはできるだけ状態のよい道を選ぶようにしましょう。