ブレーキが鳴ってしまう時は
ブレーキ鳴きの原因
バイクは数百もの部品が精密に組み合わされて出来上がっているマシンですから、定期的にメンテナンスを行い、常にベストコンディションを保つことが何よりも大切です。
ハンドルの切れが悪い、走りが悪いといった不調はすぐに感知することができるのに対して、物理的に不調が現れないポイントに関しては、不具合を発見するのが遅くなることもしばしばです。
バイクの場合には、通常では聞こえないような雑音が聞こえる際に不具合が生じていることが多いので、日頃から走行する際には変な雑音が聞こえてこないかどうかをチェックすることが大切です。
特に、「ブレーキ鳴き」と呼ばれる現象が起きている際には、要注意です。
ブレーキ鳴きというのは、バイクを停止させる直前になると「キイイイ」といった音が聞こえる現象のことです。
走行中に減速してもあまり聞こえないのがブレーキ鳴きの特徴で、経年変化になどによってこういった音が聞こえるようになります。
パッドとシムの間にはパッドグリスが充填されているのですが、パッドグリスが硬化してしまったり、溶出などの原因で減少したりすると緩衝能力が減少してブレーキ鳴きが発生します。
パッドグリスは微細な振動を緩衝する役割がありますので、硬化してしまうとバイクの走行に不都合が起こります。
単なる「キイイイ」と言ったような音ではなくて、「ゴリゴリ」あるいは「ギュリギュリ」などのように、金属同士が摩擦している雑音が聞こえるような場合には、ローター・パッドが摩耗していることも考えられます。
このような場合には分解清掃を行い、必要に応じて部品交換などを行うことが大切です。
ブレーキ鳴きの多くは、バイクの故障には至らないとしても、放置しておくとバイクの性能自体も劣化させることがありますので、できるだけ早めに対策を講じることが大切です。
ブレーキ鳴きの対策
ブレーキ鳴きが気になるようになったら、まず初めにブレーキディスクに研磨剤入りの専用スプレーを塗布してみることをおすすめします。
バイクのメンテナンスに慣れていない初心者ライダーにもできますし、ディスク鳴き止め剤は3,000円前後で入手することができます。
ディスク鳴き止め剤というのは研磨剤が配合されている専用スプレーのことで、ローター・パッドの凸凹を均一にする作用があります。
ブレーキを分解するためには熟練した経験と腕前が必要になるので、バイクショップで点検してもらうのもいいかもしれません。
点検にはそれほど時間がかかりませんし、工賃も比較的リーズナブルです。
パッドグリスを充填するだけでも、ブレーキ鳴きがすぐに解消されることがあります。
とにかく、ブレーキ鳴きが聞こえたら、ブレーキ周りを丹念にチェックすることが大切です。