LESSON4:直線走行を極める
実は直線道路の事故が多い
バイク初心者にとっては、長く続く直線道路は走行がしやすく走っていて安心をする道といえます。
しかし見通しのよい直線道路であっても事故が起こる割合は大変に高く、特に死亡者が出るような重大事故は直線の方が多いというような統計も出ています。
死亡事故はオートバイよりも四輪自動車の方が圧倒的に多いのですが、どちらにしても直線道路であるという油断から追突や歩行者をひっかけての事故をおこしやすくなっています。
見通しの良い直線道路を走るときには細かい安全確認をしなくても走行ができてしまうという安心感があるため、漫然運転として別のことに気を取られた運転をしてしまったり、よそ見をしてしまうという人が多いようです。
直線道路だからといって気持ちを緩めるようなことはせず、突然に何かが飛び出してくるかもしれないという緊張感を持って運転を続けるようにしてもらいたいところです。
きちんと直線走行できていますか?
バイクを運転する方にちょっとお尋ねをしたいのが、きちんと直線走行をすることができているかということです。
免許を取得するために通う自動車学校では、必ず実技教習として「直線狭路」の走行をすることになっています。
「直線狭路」とは幅30cm長さ15mという規格の板の上を最後まで落ちずにバイクの運転ができるかということを見るもので、これが案外難しく補習を受ける人もかなりの割合で出ています。
まっすぐ走るだけという単純な運転なのですが、これが実際にやってみるとかなりバランスを取るのが難しく一瞬の油断ですぐにコースアウトをしてしまいます。
直線狭路をスムーズにこなすのは案外ベテランライダーさんでも難しく、久しぶりにやってみたら失敗してしまったというようなこともあるようです。
コツとしてはあまり足元ばかりに気を取られるのではなく、視点を遠くにして姿勢をよくして走行するということがあります。
またゆっくり走行をするために半クラッチとフットブレーキを上手に混ぜてバランスをとっていくということも重要で、ハンドルばかりで操作をしようとするのではなく体全体で左右に倒れないようにしていくというふうにします。
ハンドルがぶれないように支える
直線狭路は難しい技術ですが、これができるようになるとかなりバイクの運転が上達したなということを実感することができます。
もし直線狭路がとても苦手という時には、もしかしたらそのバイクのハンドルが曲がっているという可能性があります。
中古車として販売されているバイクの中には、以前に事故を起こした車体を直して売っていることもあります。
そうした事故車の場合、バイク前輪のキャスタが変形していてまっすぐに走るのが難しくなっていることもあるのです。
もしあまりにも直線走行中に何度もハンドルがブレるということがあったら、まず修理工場なので本格的なチェックを受けることがおすすめです。
またフレームが曲がっていないのにハンドルがブレるという場合には、ハンドル部分ではなくタイヤに問題があることも考えられます。
タイヤの空気圧が適切でないときにも直線走行でのブレが起こるため、やはり一度修理工場で見てもらった方がよいでしょう。