LESSON3:ブレーキ動作も気を抜かない!

前輪と後輪のブレーキを使い分ける

バイクは前輪と後輪の2つのタイヤで動く乗り物です。

そのため走行によって出たスピードを制御するためのブレーキは前後二カ所につけられる構造となっています。

前輪についているブレーキは右手側のアクセルスロットの手前のレバーで操作をし、後輪のブレーキは同じく右側の足元についているバーを踏んで操作をしていきます。

前輪と後輪のどちらを使うかによってスピード制御のバランスが変わってくるため、どういったときにどのくらいの割合でブレーキを使うのかということを身に付けることが運転技術の向上には欠かせません。

ブレーキ操作は走行中の燃費向上に役立つだけでなく、万が一の道路上の危険に対して一瞬の回避行動をとることができるため、ぜひ初心者のうちから集中的にテクニックを身につける練習をしていってもらいたいところです。

基本的に前後のブレーキは同時にかけて使用をするのですが、道の傾斜やコーナーでの減速といったさまざまな場面によってどちらのブレーキにより力を入れるのが適切であるかが変化をしてきます。

理屈で覚えるというのもよいのですが、ブレーキングの上達のためには実際にどういうバランスでブレーキをかけたときにどんな感触になるかということを体で覚えていくということが大切です。

後輪ブレーキを使いこなす

前輪ブレーキはレバーを手で握って操作をするので、自転車と同じ感覚で行うことができます。

なのでバイクにまだ乗り慣れていない初心者は、ついつい自転車に乗っている時のように手元の前輪ブレーキにばかり頼りがちになってしまいます。

ですが足元のフットブレーキを適切に使えるようにならないと、コーナリングや細かい進路変更などがどうしてもできにくくなるため、走行している時の運転の楽しみがぐっと減ってしまいます。

フットブレーキを使いこなすためにはまずきちんとした姿勢で乗ることが大切であり、シートに腰をかけたときにしっかりと膝でボディを挟み込むようにし、ステップバーに足を乗せたときにちょうど足首が90°の位置で固定できるように体制を整えます。

この膝から下の位置がきちんと安定していないとブレーキペダルの踏み込みができなくなってしまうため、走行をする前にしっかり腰が落ち着く場所に据えてください。

ブレーキペダルを踏み込むときには、ステップバーに土踏まずのあたりを乗せるようにし足の親指の付け根のあたりに力を入れるようにして踏みます。

この足先の感覚を身につけていくとかなり繊細な速度調整ができるようになるので、踏む時の足の感覚は丁寧に感じるようにしていきましょう。

急ブレーキにならないように周囲の状況を見て

ここ最近に新車販売されているバイクのほとんどには、急ブレーキをかけたときに安全に速度を落とすこそができるABSシステムがついています。

ABS搭載車で思い切りブレーキを踏み込むと、急激にタイヤがロックされることがなくなり段階的に減速をしていきます。

ですがABSはあくまでも急激にブレーキングをすることによるタイヤロックの危険を避けるものであり、目の前に迫った危険を回避しやすくするための仕組みではありません。

危険回避ということで言えばむしろABSが発動してしまうと制動距離が伸びてしまうこともあり危険です。

大切なのはブレーキングのテクニックよりもむしろ、周囲の状況をしっかり見ながら運転することにより急ブレーキをかけなくてもよいようにしていくということです。