LESSON16:握りゴケが起きないように運転するのも大事
握りゴケとは
「握りゴケ」という言葉を知っていますか?握りゴケとは、ブレーキを強く握りすぎてフロントタイヤがロックされてしまい、バランスを崩して転倒してしまうトラブルのことです。バイク初心者に多いミスですが、スピードが出ている時にブレーキを強く握りすぎると前方に体が投げ出されてしまうこともあり、大変危険です。
握りゴケは走行中、人や車が飛び出してきた時に咄嗟にブレーキを握る場面で起こりやすい他、信号が変わる際に前の車が急ブレーキをかけ、それに対応するために急ブレーキをかけなければならない場面、減速しないままコーナーに突っ込んでしまって慌ててブレーキをかける場面などでよく起こります。
握りゴケを防ぐテクニック
握りゴケの直接的な原因は急ブレーキをかけてしまうことです。急ブレーキを減らす運転を心がけることで、握りゴケを防げます。
まず、顔をあげて視野を広く取るようにしましょう。初心者ライダーはメーターやハンドルが気になって視線を下げて運転しがちですが、顔をあげるだけで視野が広がり、周りの状況を把握しやすくなります。周りの状況に常に気を配っていると、人や車が飛び出してきそうな物陰や路地に早めに気づいて危険予測できます。加えて前の車との車間距離を狭めすぎず、前の車の急ブレーキにも安全に対処できる距離を保つことを心がけてください。
さらに、どれくらいの力でブレーキを握れば、どれくらい減速できるのかという感覚も覚えておく必要があります。バイクに乗り始めた時や買い替えた時などは、安全な場所でブレーキを意識しながら走ってみて、ブレーキをかける適切な力加減を探ってみてください。
教習所でも強調されることですが、バイクのブレーキは「リアブレーキからかける」のが原則です。初心者は自転車と同じ感覚でブレーキをかけがちなので、咄嗟に手元のフロントブレーキを握りしめてしまうことがあります。フットペダルでブレーキ操作するのは慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、意識して使うようにしましょう。リアブレーキもいきなり強くかけるのは大変危険ですが、リアブレーキをかけると連動してフロントのサスペンションも沈み、全体的に下に向かって力がかかります。重心が下がると姿勢が安定しやすくなるので、リアブレーキからかけることが推奨されているのです。
いざフロントタイヤがロックされてしまった場合にバランスを崩しにくくする方法としては、ニーグリップがあります。ニーグリップは内股や足全体に力を込めてバイクを締め付けるようにして乗る方法のことで、ニーグリップを意識すると重心が下に落ちる姿勢となり、バランスが取りやすくなります。上半身の余計な力も抜けるので、力みすぎてブレーキを握りすぎる危険も減らせます。