LESSON6:安全に決めたいUターン

大型バイクをUターンするのに力はいらない

バイクの最大のメリットはなんと言っても小回りがきくというところですが、実際にはバイクを上手く動かすのはかなりテクニックが必要です。

特に大型バイクになると車体もかなりのサイズになってくるので、小さなスペースで方向を真逆に変更するUターンはなかなか簡単にはできません。

交通機動隊として公道を走る白バイ隊においては、Uターンを速やかにできるかどうかは実際の取締において非常に重要になってくるので特に重点的に練習をする項目です。

白バイで使用されるバイクは非常に車体が大きいので、それを素早く細かく方向転換できるようになるには、かなりの練習が必要になってきます。

そんな白バイ隊が練習をするUターンの方法としては、「足つきターン」ということがあります。
バイクスタントにおけるUターンでは、勢い良く車体を滑らせてその勢いで方向を変更していたりしますが、実際の公道でそうしたことはできません。

Uターンをするときにまずしておきたいのが周囲の安全確認です。
実際のUターン動作よりも、むしろ安全確認を習慣的に行うことができるかどうかということの方が重要と言ってよく、動作に入る前に後方を必ず確認するクセはつけておきましょう。

半クラしながら足をつけて回転する

狭い道の走行や方向転換では、「半クラ」をどう使っていくかということが重要になります。
かなり運転のうまい白バイ隊員になると、回転数を上げた状態で半クラを一気にかけて、そこから車体を傾けるというテクニックを使っています。

特に実際に方向を変更するために、大きく車体を傾けているときの半クラのかけ方は非常に重要で、この半クラの切り方を調節することでUターン後にすぐに加速に入ることができます。

ゆっくりとUターンを練習するときには、まずスピードを落としながら旋回する体勢に入り、後方の安全を確認します。

それからハンドルを軽く曲がりたい方向に傾けると同時に、重心を傾けて方向を変更しましょう。
重心が移動したら速やかにステアリングをもとの位置に戻し、できるだけ車体のバランスだけで方向転換できるようにしていきます。

半クラ状態のまま惰性を使ってゆっくりと体を内側に傾けて方向変更していくのですが、このとき体を傾けつつ顔の向きは完全に後ろ側(Uターン後の進行方向)に向けておくようにしましょう。

半分以上曲がり終わったら、クラッチを多めにつないでパワーを調節します。
スピードが遅くなりすぎると内側に倒れそうになりますので、その時には軽くかかとを足付けして、転ばないようにバランスをとってください。

このとき足の向きが進行方向にあっていないと危険ですので、つま先を必ず進行方向に向けるようにしましょう。